お知らせ

『コラム読書をしよう(10月)』

今年度より新大学入試共通テストがスタートすることになり、どの教科でも文章の読解力が非常に重要になっています。文章読解力を向上させるためには単純ですが、『読書』が有効な手段です。そこで、今泉教室の浜津が毎月1冊のペースでおススメの本をご紹介していきます。

今回は夏川草介先生の医療小説『神様のカルテ』シリーズをご紹介します。コロナウイルスの影響で病院で働く方々のことが大きく取り沙汰されている昨今ですが、この小説はそれ以前に書かれた作品です。主人公栗原一止医師は信州松本にある24時間、365日対応の病院で働く、若い内科医。過酷な職場で常に医師不足、40時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない死を前にした患者のために働く医師でありたい…。悩む栗原医師の背中を押してくれたのは高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった…。これが第一作のあらすじです。栗原医師は内科医ですが、24時間の救命病院のため、外科の仕事もこなさなければいけない過酷な労働環境です。その中で、最新の医療を研究して多くの人達を助ける立場を選ぶか、地方の一病院の現場で目の前の困った人たちを助ける立場を選ぶか揺れ動きます。どちらが正しい道なのか…、一概には言えない状況の中で栗原医師はどんな道を選ぶのか…。

 

私も塾の講師として現場で働く傍ら、年齢を重ねる毎に会社としての仕事を任されることが増えてきました。現場で目の前にいる生徒さんや保護者様のために全力で働きたい…という思いも強いですが、その反面で誰かが会社全体の仕事をこなさなければいけない。会社として生徒さんや保護者様のための仕事が出来れば、よりたくさんの人達の支えになることができます。どちらも大切なことで、欠かすことのできないことです。そんな答えの無い状況を体験しているからこそ、栗原医師の気持ちがとてもよくわかります(しかしながら、栗原医師の大変さは人間としての限度を超えているようにも思います…)。夏目漱石を崇拝する変わり者の栗原医師ですが、その心の奥は正義感で一杯です。そんな栗原医師がどんな道を選び、どんな医師になっていくのか、是非たくさんの人たちに読んでいただきたい作品です。医療現場の過酷さの一部を知ることにも繋がると思います。是非ご覧ください。

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