お知らせ

「コラム・読書をしよう(6月)」

2020年6月より今泉教室の浜津が毎月1冊のペースでおススメの本をご紹介します。まず、このコラムを始めようと思った経緯からご説明します。

今年度より新大学入試共通テストがスタートすることになり、その中では文章の読解力がとても重視されます。非常に長い文章の意味をスピーディーに正確に理解しなければなりません。大学入試の変更に伴い、昨年度の栃木県立高校入試の問題にも同様の変化が見られました。特に理科と社会で長い文章を理解する力が問われました。暗記すれば良いというテストはとうの昔に終わり、今は言葉の力が非常に試されるようになっています。そんな状況の中で最近の生徒さん達は文章に触れる機会が極端に少なくなり、読解力の低下が顕著になっています。私も学生時代は文章の読み取りが非常に苦手でした。原因は読書の習慣が無かったことにあると思っています。30歳を過ぎた頃から読書の楽しさに目覚め、読書の量や頻度が増えていきました。そして、ある辺りから授業中に読む文章への理解力やスピードが目に見えて向上していることに気づくようになりました。私はまともに読書をするようになったのが30台からでしたので、仕事をしながら多くの名作を読むには時間的な制約が大きいことに気付きました。読書が好きな人は物心が付く前からたくさんの本に触れています。この差を埋めることは非常に難しいと思います。何事も早くから取り組んだ人の方が絶対に有利です。今学生の人たちはこれからたくさんの名作を読むチャンスがまだまだあります。多くの名文に触れ、感性を刺激し、読解力を高め、豊かな人生を歩んで欲しいと願いこのコラムを書くことにしました。

第一回目におススメする本をどうするかは非常に迷いましたが、私が読書に魅了されるきっかけとなった作品をご紹介します。それは司馬遼太郎先生の「燃えよ剣」(文春文庫)です。幕末の京都で大活躍した新撰組の副長・土方歳三を主人公とした歴史小説で、司馬先生の代表作の1つです。多摩の百姓だった近藤勇と土方歳三の二人が田舎剣術である天然理心流を武器に幕末の舞台を駆け上がっていきます。新撰組は一時期京都の志士達(革命家のような人たち)を振るいあがらせた警察のような集団で、その副長である土方は隊の規律と京都の治安を守るためには何でもする男です。しかし、倒幕の運動が激化していく中で次第に新撰組の力や結束は弱まり、さらに多くの藩が江戸幕府を裏切っていきます。そんな中で土方は最後の最後まで戦い続けます。小説の中で土方が発した私の大好きな名台詞をご紹介します。…「私は百姓の出だが、これでも武士として武士らしく生きて死のうと思っている。歴史は変転してゆく。その中で万世にかわらざるものは、その時代、その時代に節義を守った男の名だ。例えご家門、ご親藩、譜代大名、旗本八万騎が徳川家に背を向けようと弓を引こうと、新撰組は変わらぬ。最後の一人になっても裏切らぬ。」

鬼のように恐れられた百姓あがりの土方ですが、武士としての誇りが彼を突き動かしていたのでしょう。格好良過ぎです!それまで読書とは無縁だった私が時間も忘れて夢中に読み続けました。土方の男としての武士としての生き様…、先行きが不透明なこんな時代だからこそ胸に刺さるものがあるはずです。古い本ですが大きな本屋さんなら新品が置いてあると思います。是非、多くの皆様に読んでいただきたいと思います。ちなみにV6の岡田准一さん主演の映画が近日公開されるはずですので、感染症対策をしっかりしつつ、是非映画の方もご覧ください(きっと大迫力の素晴らしい映画になっていると思われます)。

一冊の素敵な本との出合いが皆さんの人生をきっと変えてくれます。読解力向上などの目的は一旦脇に置いて、まずは純粋に読書を楽しんでみて欲しいと思います。

 

 

 

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